はじめに
・人間関係がうまくいかないと、私たちは、つい相手を責めてしまう。
・伝え方によって、相手の受け取り方は違ってくる。その後の行動が180度変わることだってあり得る。⇒コミュニケーションを学ぶことが重要。
Ⅰ.コミュニケーションにおいて大切なことの土台
・コミュニケーションは、何を言うのか=「言葉」で伝わるのではない。
・どういう気持ちで言うのか=「想い」で伝わる。
・振り子の法則:出せば入る、捨てれば得られる。与えれば与えられる。=コミュニケーションの核。
・聴き手の声を聴く。
Ⅱ.目指すべきは本当に優しい人 ~1対1のコミュニケーションの極意
コミュニケーションと優しさ
・コミュニケーションの悩みを解決するために、「技術」よりも先に知るべきこと。⇒優しい気持ちになることの重要さ。
・「コミュニケーションがうまく取れない」と感じているなら、あなたは「優しくない」⇒まずはその事実を受けとめる。
・自分の「優しさ不足」に気が付くと、それが「優しさ」へとつながっていく。
・「優しさ」を間違えたときは、まず自分の誤りに「気づく」ことが大事。
・正しい方向に導くことが「優しさ」とは限らない。
相手の立場に立って考える。丁寧に話すことは優しさ
・「丁寧さ」の根本は、「相手の立場に立って考えること」
・言葉足らずの人は、「相手の立場に立ちきれていない」
・「言葉足らず」の怖いところは、場合によって、「相手にちゃんと伝わった」と勘違いしてしまうこと。⇒周りの人たちに大きなストレスを与え続けることになる。
相手のサインに敏感になろう
・「言葉足らず」になってしまう原因は大きく3つある。
- 頭の中の主語が自分。
- 多様性に対して不寛容。
- 無意識の脳のサボり。
無意識に行っているこれらの脳の働きに気づくこと、つまり「有意識」になることが大切。⇒「相手のサインに敏感になる」必要がある。
人間関係のトラブルは情報不足が全て
・「情報不足」を解消するためには、「聴く」しかない。
・「相手との信頼関係を構築するための聴く力」を身につけるために、
- 最後まで聴く⇒相手の顔を見ることを意識。
- 全身で相槌を打つ⇒「たしかに」「わかる」「天才!」「まさに」等、自分の相槌集を作る。
- 声にならない声を聴く⇒「観察力」と「洞察力」が必要=相手に関心をもつ。
- 全てを受け入れる⇒相手には悪意がないという前提で接する。
全員の取れ高を設計する ~優しくなるための12の技術~
1.自分の情報を先に伝える。
2.された質問は相手にも返す。
3.プレゼントを受け取る優しさ。
4.言葉のチョイスを間違えない。
5.思いは伝わらない、を前提に話す。
6.本人も気づいてない美点を探す。
7.言葉のプレゼントは何度でも。
8.積極的な言動を選ぶ。
9.表情が先に届くことを意識する。
10.必要な場面で言葉の意味を変えてみる。
11.自我を捨てて役割を演じ切る。
12.理論で救えない状況を笑いで救う。
⇒大切なのは、1つでもいいから挑戦(実践)してみること。
12の技術を使って優しい世界を
・優しくないことに気づいたら、もう成長。
・相手にとっての「マイナス」を取り除く。⇒確認し、事前に取り除く。
・相手の取れ高を設計する。
・自分の取れ高を設計する。
・相手のために考えて、考えて、考え抜けるからこそ、その人は「優しい人」と言える。
Ⅲ.あなたの話には価値がある ~多人数向けスピーチの極意
極意① 準備が全て。原稿は必ず用意しろ!
・スピーチとは「聴き手が聴きたいことを話す」こと。
・スピーチをするときには、しっかりとした「準備」が必要。
【スピーチ原稿は2種類ある】※スピーチ原稿は必ず用意する
フル原稿:全ての言葉を一言一句書き起こして作り込む。
トリガー原稿:スピーチに必要なキーワードだけを並べたメモ書きのような原稿。
極意② 自分の状態を整えろ!
・自己流でも、誰かを真似てもOK。自分の状態を整える最良の儀式を見つけ出す。
極意③ 緊張を味方につけろ!
・緊張とは、体内で神経伝達物質のノルアドレナリンが分泌されて、交感神経が活発になり、心拍数や血圧、体温が上昇することを指す。⇒エネルギッシュな活動ができる。
・人前で話すときには「緊張が必要だ」ということを知識として理解しておく。
・緊張をなくすのではなく、緊張とうまく付き合っていく。
極意④ 場の空気を温めろ!
・場内の雰囲気を良くするには、言葉だけに頼らず、ジェスチャーなどの全身表現も必要。
・一人ひとりと目を合わせる。
・聴き手の心に火をつける。⇒スピーチの中に「自分自身のmy wordを盛り込む」
極意⑤ 聴き手を話に惹きつけろ!
・1つの話題は5分以内。
・聴き手の言葉にならない声を聴く。
・心の動きを伝播する。
→「惹きつけられる」とは心の動き。伝えたいことを『頭』ではなく『心』で考える。
・一番大切なのは「実体験である」ということ。
極意⑥ 聴き手が本当に求めている話をプレゼントしろ。
・スピーチとは、聴き手の思考と行動が変わるようなプレゼントを渡すこと。
・「すごい話」ではなく、「普通サイズの話」を聴き手にプレゼントする。日常の行動に変化を与えられる、小粒なプレゼントこそ喜ばれるプレゼント。
・聴き手が感動する話、面白いと思ってもらえる話をしたいなら、まずは自分自身が感情を大きく動かし、心を解放する。
極意⑦ 話のネタを枯らしてはいけない
・聴き手の日常を想像する力は、人前で話す機会がある人にとって、忘れられない珠玉のメッセージを届けるために必要なスキル。
・目の前にいる人の日常に思いを馳せる、そんな努力の積み重ねが想像力を高めていく。⇒その想像力はスピーチに役立つだけではなく、大切な人への思いやりや優しさを育む一助にもなる。
極意⑧ つまらない話から学べ
・人の話を聴くことで、スピーチのスキルは格段にアップする。
・面白くない話は心で聴いて頭で分析し、自分だったらどう話すかを考える。
極意⑨ Q&Aで講師の格を上げろ!
・Q&Aの質が「講師の質」
・質の良いQ&Aにするためには、まず「質問者に敬意を払うこと」が大切。
・質問に対する回答のポイントは大きく分けて3つ。
- ズレをなくせ
- 一貫性をもて
- 意図を汲み取れ
極意⑩ プロとアマチュアの違いを知れ!
・スピーチを「聴き手を目的地に連れていくこと」と意義づけしている人をプロのスピーカーと呼ぶ。
・その役割を正しく理解し、その役割に徹することがプロのスピーカーの真の努め。
Ⅳ.画面の中でも際立つ存在になる ~オンラインコミュニケーションの極意
喋っていないときが勝負!鍛えるべきは「ノンバーバル力」
・オンライン会議は、「喋らない時間」で勝負が決まる。⇒「ノンバーバルコミュニケーション」
・「ノンバーバル力」を鍛えることで、オンライン会議では好印象を残せる。
・「ノンバーバル力」を鍛える3つのポイント
- 聴覚的要素⇒オンラインでは、いつもより「2音」高い声で話すように心がける。
- 視覚的要素⇒喋っているときはもちろん、他の人が話している間もとにかく笑顔を心がける
- 身体感覚的要素⇒ボディーランゲージは、異なる環境や文化で育った人たちとの円滑なコミュニケーションに役立つだけでなく、年齢や職種などによるギャップを埋めることもできる。
アイパワーコントロールで表現の幅を広げろ
・「アイパワーコントロール」を身につけるメリットは大きく2つ。
- はっきりとした顔立ちに見え、明るく元気な印象を相手に与えられる。
- 目元のインパクトが、メッセージに乗り移る。⇒人は話相手の目を見ながら話を聴く。そのときに目にパワーがあれば、口から発せられる言葉にもパワーが生まれる。
相手のために笑顔を作る。
・ヒトは「共感性」がとても強い生き物なので、相手が笑っていると、おかしくないのに自分も笑ってしまう。⇒笑顔は伝播する。
ケース別オンラインコミュニケーションの極意
【オンライン会議で押さえておくべき3つのポイント】
- 準備
- 聴く姿勢
- 話の流れ
【ライブ配信で意識すべき3つのポイント】
- 意識の向け方
- フレーム
- ホワイトボード
【音声通話】
- 声のトーンを高くして話す
- 情報を削ぎ落す
Ⅴ.技術に縋るな!土台が全て ~伝わる技術を身につけるために
技術の前に土台を学べ!大切なことは「学ぶ順番」
・コミュニケーションは大きく2つの要素で成り立っている。
- コンテンツ⇒話の内容
- デリバリー⇒表現
・コミュニケーションの土台はマインド(考え方)⇒重点的に学ぶ必要がある。
・学ぶ順番も重要⇒最初にマインド、次にコンテンツ、最後にデリバリー。
あなたの想いが伝わらないのは、うまく話そうとしているからだ
・うまく話そうとすると、あなたの想いが伝わらなくなる。
話す力は聴く力!心の矢印、今どっち?
・コミュニケーションにおいて一番大切なことは聴く力。
・相手の話をきちんと聴くことなしに、自分から話してはいけない。
・大切なことは順番。コミュニケーションに関しては聴く力が先、話すことは後。⇒聴く力が強い人が、話す力を発揮することができる。
・心の矢印を相手に向ける。
おわりに
コミュニケーション能力は、誰でも、いつからでも高めることができる。
より良いコミュニケーションは、技術だけではなく、相手のことを思いやる気持ちが何より大切で、話すことよりも、聴くことに意識をおくことが大切だと、この本を読んで学ぶことができました。素晴らしい一冊です。
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